コラム
- 2016/10/03
- 院長コラム
歯周病菌がインフルエンザ感染を助長。予防、重症化を防ぐためには歯磨きから。
毎年、大きな話題となるインフルエンザ。予防接種を受けたり、マスクをしたりと様々な方法で対策をしているが、歯周病菌の一つがウイルス感染を助長している可能性があることを、日本大学口腔細菌学講座の研究チームが発表した。
インフルエンザウイルスは、表面にあるタンパク質がタンパク質分解酵素の作用で変化すると感染力が高まる。通常、この変化は喉や鼻などの呼吸器官の細胞が持つタンパク質分解酵素の作用で起こるが、ジンジバリス菌が産生する酵素でもその作用を起こす可能性があるという。
インフルエンザウイルスに感染させた細胞に細菌の培養液を混ぜ合わせたところ、ジンジバリス菌が産生するタンパク質分解酵素がウイルスの細胞内への侵入を促進させることをつきとめた。また、口腔レンサ球種が産生するNA(ノイラミニターゼ)がウイルス自身のNMと相乗的に働き、ウイルスの放出が促進され感染が重症化することもわかった。
この研究結果により、インフルエンザ感染予防や重症化防止において口腔ケアの重要性が高まったと言える。口は体の入り口、口腔内を清潔に保つことは全ての病気のリスク低下につながりそうだ。
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