コラム
- 2017/09/25
- 院長コラム
歯周病と糖尿病は密接に関係している
糖尿病は血糖値が慢性的に高くなる病気で、わが国では糖尿病予備軍を含めると2,000万人が罹患していると言われています。糖尿病は、体内で栄養を取り込むために必要なインスリンというホルモンが効きにくい状態になったためにブドウ糖が有効に使われず、血糖値が高くなっている状態のことで、症状が進行すると網膜、腎臓、足の神経の細い血管や大動脈などに障害を引き起こします。そして、それらの「糖尿病合併症」が日常生活の質に大きく影響を及ぼしてくる病気です。近年では、この糖尿病が口の中の健康や歯科治療の成果にも関係があることが明らかになってきました。
特に糖尿病と歯周病はお互いに悪影響を及ぼす関連が分かっています。歯周病の原因は歯の表面に付着している「プラーク」、いわゆるみがき残しの歯垢です。プラークは、主に細菌で構成されていてその中には歯周病菌も含まれます。歯周病菌は歯と歯肉の隙間、「歯周ポケット」で増殖することで、歯肉に炎症を起こし、さらに歯を支えている骨を破壊してしまいます。
この歯周ポケットから、炎症に関連した生理活性物質が体中に放出され、インスリンが効きにくくなり糖尿病が発症・進行しやすくなります。また逆向きの関連として、高血糖状態にあると細菌感染から、体を守るための免疫機能が低くなってしまうため、歯周病が発症・進行しやすくなります。近年では、歯を失った後に行うインプラント治療の成功率や長期の安定性に、糖尿病が影響を与えることも明らかになっています。
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