コラム
- 2017/11/27
- 院長コラム
歯周病菌がアルツハイマー病に関与。歯科アプローチの新たな治療法確立へ。
高齢化社会に伴い、2025年には日本国内の認知症患者が700万人を超えると予想され、認知症関連で様々な研究が進めてられている。
そんな中、九州大学の研究グループが、歯周病とアルツハイマー病の発症・症状悪化との関係を裏付ける研究結果を発表した。
近年、歯周病のジンジバリス菌(Pg菌)の菌体成分リボ多糖(LPS)がアルツハイマー病患者の脳内で検出されるなど、重度歯周病の罹患と認知機能の低下との相関性が注目されている。
Pg菌が脳炎症を引き起こし、認知症の悪化を招くと考えられているが、そのメカニズムは解明されていなかった。
今回、研究グループのマウスを使った実験で、Pg菌により誘発されるアルツハイマー様病態の原因酵素が、リリソーム酵素の「カテプシンB」だと判明。
カテプシンB特異的阻害剤が発症や症状の悪化の抑制につながる可能性も示唆された。
アルツハイマー病については、現在でも治療が極めて困難で根本的な治療薬は未だ開発されていない。
そんな中、アルツハイマー病の発症や進行を遅らせるための歯科治療からのアプローチを確立させることには大きな意義がある。
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