侵襲性歯周炎の原因遺伝子を同定 新規治療法や診断法の開発へ。

2018.07.30

 歯周病の中でも急速型で、糖尿病などの全身性疾患の既往がなく早期に発症し生活の質を著しく低下させる侵襲性歯周炎。
家系内での発症があるという特徴から遺伝要因の関与が示唆されており、これまで候補遺伝子アプローチによる遺伝学的研究が行われてきたが、原因遺伝子の同定には至っていなかった。
 そんな中、東京医科歯科大学の研究グループは、日本人の侵襲性歯周炎のエクソームシ―クエンシングにより、NOD2遺伝子の変異を同定した。研究グループは、侵襲性歯周炎罹患者99人の中から侵襲性歯周炎罹患者を含む2家系(罹患者5名、非罹患者1名)のエクソーム解析を実施。絞られた候補遺伝子の変異を確認したところ、2家系の罹患者全員にNOD2遺伝子のミスセンス変異が固定されたという。さらに、残りの94人におけるNOD2領域の変異の有無を検討するためにターゲットリシークエンス解析を行ったところ、新たな変異が3箇所(計5箇所)同定された。
NOD2は自然免疫に重要な細胞質内受容体で、グラム陽性菌と陰性菌の構成要素であるMDPを認識して炎症シグナルを惹起することが知られている。また、クローン病などの炎症性腸疾患の原因遺伝子としても報告されており、細菌感染症全般の原因解明にもつながると考えられている。
今後、NOD2変異が侵襲性歯周炎の病態に与える影響をさらに明らかにしていくことで新規治療法や診断法の開発にも期待がかかる。

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