コラム
- 2016/09/26
- 院長コラム
人工舌を装着して会話ができるように。「夢の会話プロジェクト外来」が開設。
岡山大学歯学部と同大学院は、がんの治療などで舌をなくし、会話が困難になった患者が再び話せるように医療支援する「夢の会話プロジェクト」を設立。
舌がんによって舌を部分的に切除した場合、残っている舌の量が多ければ、これまでの舌切除補助床(PAP)という義歯のような装置を用いることで、ある程度の会話が可能となっていた。しかし、舌亜全摘出手術(舌の大部分を切除)を受けた場合には、どうしても出せない音があり、会話によるコミュニケーションが困難になる。
外来は初診と再診の週2回。人工舌の製作からリハビリまで行う。プロジェクトには工学部も参加。人工舌を装着して話した音声信号をデジタル処理し、聞き取りやすい音質に変換する技術の開発も試みている。
日本歯科衛生士会によると、国内で口腔がんを発症した人は年間で約6,000人。口腔がんの6割は舌がんで、舌の切除手術で発音が困難になる人も多い。「夢の会話プロジェクト」は舌がんや事故で舌を失った人には希望をもたらすことになりそうだ。
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