高齢者の口腔ケア_反復唾液嚥下テスト

2015.07.20

近年、高齢者の誤嚥性肺炎が急増し、口腔ケアの必要性が叫ばれる中、化粧の効果が口腔機能の向上に作用すると話題になっている。
化粧品メーカーの「資生堂」は、1990年代から化粧療法の研究を開始。
心理的効果をはじめ、脳の活性化や身体機能の向上などの効果を明らかにしてきた。
2011年からは、歯科衛生士と連携して高齢者の化粧による口腔機能への影響を検証。
介護施設に入所している平均年齢85・2歳の高齢者女性27人を対象に、
毎日のスキンケアと月1回の美容教室を三ヶ月間行った結果、
嚥下を促す唾液サブスタンスP濃度が上昇。

 
さらに30秒間になるべく早く唾液を飲み込む「反復唾液嚥下テスト」では、1回しかできなかった高齢者女性の約8割が、2回以上の嚥下を行えるようになった。
同社事業企画部の池山和幸さんによると、スキンケアの塗布行為が唾液腺マッサージにつながり、唾液分泌機能が変化したと考えられるとのこと。
化粧行為により脳血流が改善され、サブスタンスPの分泌が促進されるというメカニズムだ。
また、化粧をすることで会話の機会が増え、発語機能にも好影響が見られた。話したり笑ったりすることで、口周りの運動につながるのだ。
現在、同社ではライフクオリティー事業の一環として、
高齢者への化粧療法プログラム「いきいき美容教室」や介護、医療スタッフ向けの「ADL向上のための整容講座」を開催。
要介護高齢者の健康を維持するための口腔ケアは、これからの社会において大きな課題だ。

 
化粧療法の活用で高齢者の口腔ケア、ひいてはQOLの向上につなげられるのか、今後が期待される。

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